カフェレストラン「風車」4 住宅部分
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4階建てのビルの2階が「風車」、3階はオーナー住宅となります。
ガルバリウム鋼板で遮熱されたコンクリート打ち放しの外壁面と
間仕切り壁を火山灰クリームで白く塗られたコントラストの、
大らかで伸びやかな、肩肘張らないテイストは住まい方にも持ち込まれています。

風がルーバーで覆われた西から東へと抜けていきます。
東側には「カテナ基地」が遠くに見え、4階の屋上庭園に上がると遠く西に海がちらりと望めます。
リビングの真ん中には先祖を祭る「トートーメー」(仏壇)。
風と、海と米軍基地、トートーメーと沖縄ならでは・・・という感じですね。
ここ3階のダイニングの辺りと、朝のシャワーがとても気持ちよいとのこと。

ガルバリウムの被服もコンクリートの室内の表面温度の低減にとても効果がありました。
ガルバリウムの被服と、そうでないところで、真夏時に室内表面温度の差が最大(夕方5時頃)で4℃です。
沖縄にとって「蓄熱しない建物」を考えることが、住まい手にも、街に対しても大きな宿題のひとつなんだと思います。

設計・伊礼智/伊礼智設計室(担当 島華子 松長浩子)
# by satoshi_irei | 2004-08-21 21:02 | ・住まい・建築 | Comments(0)
カフェレストラン「風車」3

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さて、「風車」のインテリアはどんな感じかというと・・・。
外壁をガルバリウムで被覆された、コンクリート打ち放しがメイン、
その他間仕切り壁は調湿・消臭効果に優れた
「薩摩中霧島壁」塗り(高千穂ライフニクス)。
火山灰系の左官材で、100%自然素材で出来ています。

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床はテラコッタタイル、天井は火山灰クリームをローラーで塗ったもの・・・。
これも調湿・消臭効果があります(日本エムテクス)。
気負わずにカジュアルに・・・
料理も現代の沖縄の家庭料理が主流でしょうから。
末永く、来客があることを祈りつつ・・・。

設計・伊礼智/伊礼智設計室( 担当 島華子 松長浩子)
# by satoshi_irei | 2004-08-21 20:38 | ・住まい・建築 | Comments(0)
カフェレストラン「風車」2
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このビルの設計のテーマのひとつは
「遮熱」する(コンクリートに蓄熱させない)こと。
沖縄で心地よく過ごすための主要な課題です。



ここでは、クライアントの勤める会社(世紀東急株式会社)の製品である
「アクアトラップ工法」による屋上緑化を試みました。

簡単に言いますと、
プラスチックのビールケースのようなものを並べて、その間に雨水を貯留し、
その上に防根シート、防水シートを敷いた上に土を入れ緑化を図る。
貯留した雨水による自動給水システムを持った工法です。

屋上緑化は都市のヒートアイランド化に有効なのは分かっていても
水まいたり、草むしったりと何かと手が掛かる。
その、毎日の水撒きが軽減できる。

沖縄では初めての試みであったことと、
ビルが完成した頃に、クライアントが、なんと沖縄支店長に昇進した事もあって、
屋上を楽しむ事に張り切っているようです。

芝と沖縄の野草を植えて、琉球トラバーチンのスライスを敷いて
そのコントラストとてもきれいでした。

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# by satoshi_irei | 2004-08-21 19:49 | ・住まい・建築 | Comments(0)
カフェレストラン「風車」(2004) 1
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沖縄県・読谷村で設計を進めていました
「田崎ビル」が
04年、7月に完成いたしました。
レストラン+オーナー住宅の小さなビルです。

隣町の嘉手納で、長年、喫茶店を営んできたクライアント(実は親戚)は
嘉手納ロータリーの再開発に伴い、ここ読谷村・古堅に新天地を求めました。
これまでの沖縄家庭料理メニューに加え、新しい料理も取り入れ、
カフェレストラン「風車」となって8月にオープンしました。

どんな料理を出してくれるのか楽しみです。
実はオープンしてまだ行っていないのです・・・
故郷とは言え、東京と沖縄はやはり距離があります。

調湿作用・消臭効果に富む火山灰を利用した塗り壁、テラコッタの床、
無垢板などの自然素材はもちろん、雨水層の上に土を盛り、
自然給水が出来る屋上緑化システム、
遮熱とコンクリートの塩害防止のためのガルバリウム鋼板の被服、
西日よけの木製ルーバー・・・など、
沖縄において調湿と「蓄熱しにくいビル」として試みたデザインも含めてお立ち寄りください。
近くには「やちむんの里」、座喜味城など、沖縄の工芸と文化も楽しめます。
                                                                                    
・場所   沖縄県中頭郡読谷村古堅(嘉手納ロータリーより車で5分)
      比謝川の赤橋(赤い橋です)を読谷方向にちょっと行ったところです。

・設計   伊礼智設計室(担当・伊礼智 島華子 松長浩子)
・施工   大興建設(現場担当・下茂門祐千)
 
        

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# by satoshi_irei | 2004-08-21 19:19 | ・住まい・建築 | Comments(2)
東京町家
こんにちは、伊礼智です。
やっと、ブログを始めました。

建築の設計を生業としていますので、
その仕事を中心に発信していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

画像は「下里の家」。
「久米川ソーラータウン」のプロトとなった家です。
建坪13、7坪、延べ床面積26、8坪の小さな家です。
見えない空気と熱(omソーラー)がデザインされ、
自然素材に包まれた小さな家と言えるでしょう。

小さな土地でも、小さな家でも、きちんと考えて設計すれば、
ちゃんと心地よく住めるものです。
この家で試みられた事は「東京町家スタイル」として、今後展開されていきます。

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# by satoshi_irei | 2004-08-20 22:29 | ・住まい・建築 | Comments(5)