カメラマンの西川公朗さんより、幕張本郷の家の写真が届きました。
竣工後、すぐの撮影なので、まだまだ緑が寂しいですが、
その分だけ、建物が初々しい。
線路脇の変形した敷地に少し振って配置されています。
OMソーラーの集熱効率を少しでもよくすること、敷地の隅々に小さな空きをつくって
視線の抜けの先に緑がある・・・という構成です。



1階はジャズを楽しむホール。
遮音・防音を施しながらも、閉鎖的にならず、外に視界が抜ける工夫をしています。
また、仲間内で楽しめるように、にじり口のような出入り口も設けられ、
いざとなれば営業もできる設定(笑)。
町に対するボリューム感を押さえることと、
ホールの天井の高さを確保してボリュームを確保、
玄関レベルからのアプローチのし易さを考えて、
1階を少しだけ地面に埋めています。


2階はリビング・・・
そこから1段下がって寝室。
宙に浮いた感じにするため、2階でありながらも掃き出し窓にしています。
屋根の形がそのまま室内に現れ、
包み込まれるような空間にしたいと思いました。




西日を遮るためにアミ付の木製ガラリ戸を用意。
落下防止にもひと役買います。
リビングの脇には3帖の小さな和室。
押し入れを吊って、その下に小さな地窓を設けました。
タタミ面を流れる風は
心地よい和室に不可欠のような気がします。


寝室はリビングより一段下がっています。
グッと下げた天井の効果と相まって、
落ち着いたスペースとなりました。
寝室は将来、2つに分けることもできます。
2階には浴室もあります。
木製の引き戸で洗面スペースと仕切られています。
「さわら」で包まれた水回りです。


1階のジャズホールは
天井の高さを確保するために地面に埋め込まれ、
内部に溜まりを創りだし、包まれるようなスペースとなりました。
遮音・防音性の高いスペースですが
OMソーラーによる空気と熱がデザインされたことと、開口部の工夫により、
閉鎖的でない町(外部)に繋がる音楽ホールになったのではないか思います。

設計:伊礼智設計室(伊礼智 一場由美)
施工:田中工務店
写真:西川公朗
オープンハウス時の頃住まいの中の小さな風景 幕張本郷の家