9月13日(土)土曜住宅学校がスタートしました。
建築家:中村好文さんを迎えて、働く小屋「LEMM HUT」についてお話をいただきました。
第1回目の講師は中村好文さんと決めていたこと
会場の自由学園・明日館講堂の雰囲気も良く、聴衆約100人、
今回のレクチャーの内容・・・・土曜住宅学校のスタートとして申し分ありません(笑)。
姉歯事件以降、日本の家づくりは不本意な方向へ流され続けています。
住まいを役人と経済人から取り返さなければなりません。
そこで、何か行動を・・・ということで土曜住宅学校をやることに・・・。
国の方から環境だのエコだの、200年だの、保証だの・・・・
と押しつけられる中で、中村さんの話は「浄化作用」とも言うべき内容だったと思います。
子供の頃から小屋好きだった中村さんは
「線や管を減らすことが文明度と文化度を上げる」ことではないか・・・
と小屋づくりに取り組みます。
既存の民家のリノベーション、ハーフビルド、太陽光発電、風力発電、雨水利用・・・。
決して珍しいことではないのですが、
中村さんがやるとそれが美しく、さりげなく、楽しく(仕掛け満載)まとまる。
「無骨な山小屋」、「メカニックなパビリオン」にはならないのです。
「住宅名人」であることに加えて「生活名人」であるからなのでしょう。
「職人の腕とデザイナーの眼」を同時に持ち得る人の仕事です。
中村さんは「普請道楽」、あるいは「普請病」と言ってもいいのではないかと思います。
吉村先生の山荘や奥村先生の木曽の板倉は「避暑地の仕事場」であったのですが
中村さんの小屋は仕事とは無縁のように思います(笑)。
そのような質問に
「自分の居心地のいい場所を作るのが好き」と言うことでした。
次から次へと自分の居心地のいい場所を作り続ける・・・作りたがる・・・
それが普請病の原因でした。
建築家と言うのはそのような人のことを言うのでしょうね。
中村さんは「ブツ」を作ることだけでなく、そのプロセスを演出し、楽しむ事にも
意識を注がれているように思います。
まるで映画を作っているかのように楽しんでいるように思えるのです。
「中村さんって映画監督みたいですよね・・・」というと
「次、生まれてきたら映画監督になりたい」とのこと。
「職人の腕とデザイナーの眼、加えて映画監督の総合力」ということになりますか?(笑)
建築はその建築(ブツ)だけで生き続けている(評価されている)のではなくて
記憶や記録も一体となって価値が続くのでしょう。
ドキュメンタリー映画を撮るような感覚も大事なのだと感じました。
そのように自分たちの価値を伝えていかなければなりません。
今の時代の住宅は「よけいなモノ、不粋な記号」が
たくさん付いてしまっています。
それを望む住まい手も大勢いることは確かです・・・残念な事に。
中村さんのお話をお伺いして
土曜住宅学校はむしろ住まい手に向けて行いたいと思いました。
土曜住宅学校 学生枠まだまだ募集中