カメラマンの西川公朗さんからあずきハウスの写真が届きました。
秋口に室内を撮ったのですが、あいにく、天気が悪く、先日撮り直していただいたのです。
あずきハウスはご夫婦二人のための仕事場付きの住まい。
延べ床19坪のOMソーラーを取り入れた、
見えない空気と熱がデザインされた小さな家です。
「シブかわいい家にしてほしい」というリクエストに、
まるで昔から建っていたかのような、下町のあずき色をした外観の地味な家にしましょうか?
目だたない佇まいにしましょうよ・・・ということで
旗状敷地のアプローチの外観は建物がほとんど見えないようにしてあります。

モミジのアーチをくぐって縁側にたどり着きます。

玄関は鎧戸と和紙を編み込んだスクリーンを網戸かわりにした2本建ての引戸。
玄関に入ると地窓から南の小さな庭が見えます。
リビングは木製建具、外から雨戸、網戸、ガラス戸、障子の構成。

衝立のような家具の向こう側が奥さんのアトリエ、
こちら側がリビング兼打ち合わせコーナーとなります。

ニッチのあるか部の裏に冷蔵庫(階段下)。
キッチン奥の勝手口にはブラインドの生地を利用した網戸が仕込まれていて
既製のアルミサッシュの勝手口の印象を和らげています。

仕事場とリビングの関係が良く分かる写真です。
衝立のように置かれた家具の回りはぐるぐる廻れるようになっていて
まるでこの家の生活を司るかのように、暮らしのモードを制御しているように思います。

2階の寝室の脇には小さな和室があります。
中に浮いた家具の中にはお茶のセットがあって、抹茶を点てて飲んだり、
ごろごろと寝っ転がったりと多目的に使えます。

お風呂はベランダに開けた木のお風呂。
OMソーラーの乾燥した暖かい空気は
この洗面室、写真には写っていませんがそれにつながる納戸に
吹き出してくるように設計されて、水回りの乾燥に役立っています。
意図していなかったのですが、OMの乾燥空気のおかげで
納戸が洗濯物乾し場になって、大活躍のようです。
設計:伊礼智設計室(伊礼智 森泉綾)
施工:相羽建設
あずきハウスの中の小さな風景
土曜住宅学校いよいよ申し込み受付開始らしい