住宅特集2月号の近作訪問で
東京町家 あずきハウスが取りあげられる。
「ヒンプンハウス」、「東京町家 9坪の家」に次いで3度目である。
今回は建築家の高橋真さんが訪問してくれた。
普通の家に見えて実は普通でない、、、それがどうしてなのか?が
高橋さんの思い悩んだところだったと思われる。
そう思わせることがぼくの「ダンディズム」ではないか?
とその日もちらっと口していた。
本文では普通という伊達(ダンディズム)となっている。
高橋さんから見るとこだわらなければならない納まりがいくつもあったようだ。
そこがぼくと高橋さんのズレであり、分かりにくいところだったのだろう。
一見、白い壁と生地の構成は、それだけでありがちな「スタイル」を持っている。
それを切り売りしてうまく渡り歩くスタンスも設計者の中でよくある。
高橋さんはそんなありがちな「スタイル」はみじんも見られないと書いて下さっている。
それは日頃から自分が意識していることなので読み解いていただけて光栄である。
そこに高橋さんのいうぼくの「ダンディズム」があるのかも知れない。
「伊礼さんは自分のスタイルを創ろうとは思わないの?」と聞かれた。
自分としては以外なことだった。
たぶん、自分が目標とする人達と違うスタイルでありたい、
スタンダードなものを目指したい、、、と思うことが、自分のスタイルを分かりにくく
させているのではないか?とも思った。
まだまだ、公の場で語り足りないことも一因であろう。
しかし、やはりどこかに沖縄の臭いや、パッシブイズムのようなもの、
小さな空間で暮らしてきたことの、小さな空間への執着や慣れなどが、
具現化しはじめているとは思う。
高橋さんが違和感を感じたり、
明快にできなかったこの家の「物語」はそんなところに隠れているのではないか?
それにしても自分のことは自分がいちばん良く分かっていない。