先日は自由学園にて第2回目のOM設計セミナー。
見学先は
ヒンプンハウス。
6年経ち、住まいとして貫禄が出て来たという感じ(笑)。
どこも狂っていない、、、という印象を受けた。
丁寧に設計したし、相羽建設の棟梁、秋山さんが丁寧につくってくれた。
それが伝わったと思うのだが、、、住まい方がいい。
そういう住まいは時間が経ってもきれいだ。
午前中に1回目の設計課題の講評。
課題は「**のない家」。
本来、住宅にあるべきものを取り去ってみる、、、
そうする事で新たな可能性が見えてくるか?という課題。
普段の仕事をこなしながら、みなさん、課題を頑張っていただいた。
その中から、いくつかの案を紹介する。
最初の案は堀井工務店の惟村さんで「間仕切りのない家」。
間仕切りをなくしたあと、平面計画のみでなく、断面を工夫する事で解いている。
床の高さを必要な分だけずらして、さらにOMソーラーの空気と熱が
その断面に絡んで家中に行き渡る、、、見えない空気と熱がデザインされて秀逸。
次は菅組の願化さんの「とびらのない家」。
扉の役割とは視線を遮る事、空間を仕切る事だと思う。
それをなくし、平面のみの操作でプライバシーを確保しようとしている。
視線の正面に壁や家具を配置し巧みに視線を制御し、
窓の配置による視線の抜けと相まって、優れた案となっている。
この「**のない、、、」という課題に対して、お手本のような簡潔な解答が
さらにこの案を引き立てていると思う。
惟村さんが断面、願化さんは平面、、、という感じだ(笑)。
次は住暮楽の高田さんの「玄関のない家」。
玄関をなくして縁側からアプローチしようと言うのは普通、、、
その縁側を建物の中に引き込んだところが魅力的だと思った。
さらに地面に埋め込んだ「冬の間」と縁側を持つ「夏の間」にアプローチし、
その奥に水回りがある。
確か設計の人ではないと聞いていたが、組み立てがとてもうまい。
もうひとつ、、、大蔵建設、鈴木さんの「壁のない家」。
壁を外側に持ち出して、その中に透明性の高い壁(サッシュ)で囲われた生活空間をつくり出す。
持ち出された壁はバッファーゾーンとして「壁のない住まい」を守る、、、という案。
この案は実は2階建てになっていて、2階部分がよけいに思えた。
願化さんのように、この1枚のみ、平面のみでまとめた方が意図が明確に伝わったと思う。
また、外側の壁の抜き方を変えて(角を抜く)と、また違う空間が生まれるだろうし、
今の案と逆に、透明性の高い壁の内側にしっかりした壁を配置する組み立てもある。
それにしても魅力的な案だと思う。