しばらく、沖縄県 久米島の上江洲家のレポートが途絶えていました。
沖縄の家をひと言で言えば、外部と内部の緩やかな繋がり、
柔らかな境界と言えるのかもしれません。
その重要な役割を果たしているのが「ヒンプン」であり、
「雨端(アマハジ)」であると思います。
写真は東側の雨端、、、沖縄の民家の東面は一番座(接客の場)に面していて
庭のつくりが凝っているのが一般的。
特に上江洲家は殿内(ドゥンチ)と呼ばれる役人のお屋敷ですから
なおさら、東側の庭は眺める為の庭として創り込まれることになります。
東面も南と同じように、正面扱いとなり、この2面は雨端がしっかり廻っています。


南側は日常的な出入り口でもあり、
足元廻りに工夫が見られます。
地面の段差、デザインがグラデーションを描くように手を入れられています。
簡素で素朴ではあるがデザインされている、、、ほどよい手の入れ方に共感を感じる。

室内から見た雨端とアシビナー(遊び庭)、もうひとつは
西側の納屋の雨端なのですが、柱の配置がリズムを持っていて楽しい。
柔らかな境界、柔らかな繋がり、、、沖縄らしさと言うのはそういうもの、、、。
そうすると、
沖縄的な、沖縄を表す言葉である「テーゲー」という概念が
決して「いい加減」という事ではなくて
柔らかい、寛容な、、、というふうに捕らえた方がいいような気がしてきます。

コーナー部分の軒裏といえば、、、振り隅の垂木。
構造的にはこれが強いと聞いています。
それ以上に、風合いがいいですよね、、、
軒天のデザインの大事さを再確認です。