「改装」の楽しみ
板橋でかねてから設計を進めていた改装が着工した。
築30年以上前の木造。図面もいっさい残っていなくて実測からスタート。
その辺りの話はトラックバック記事を参照いただくとして、、、。

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「改装の楽しさ」が最近、分かってきたように思う。
ごっそり、まるで違うものに変えてしまう改装も「ビフォーアフター」的で面白いが
古くて新しい事務所(新建築 住宅特集2007年4月号)の改装は、
自分らしい仕事であったように思う。

必要に迫られてあわてて探した物件であったのに、
幸運にも「可愛いハナレ」に出会う事ができた、、、
名も無い小屋であっても、「友好的な対話(議論)の相手」に思えた。

「もとの空間の意味を完全に消すこと無く,
古い歴史のレイヤーと新しい意味とが重なり合うからこそ面白い」、、、
そんな改装ができたのではないか?


今回の物件も予算の関係から内部のみ手を入れる事になった。
解体前のインテリアは以下の写真のとおり。


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床を補強したり、雨漏り箇所を確認しながら工事は進められている。
担当スタッフはフリーハンドで原寸の納まりを追われるように描いている。
改装の仕事こそ、現場任せにせず、きちんと図面を書き、
古いものと「対話(議論)」をすべきである。
納まりを書くに連れて、不安がなくなり、出来上がりの空間が頭の中で見えてくる。

白(新しい)と茶(古い)が混在するインテリア。
新しい枠の裏に古い枠が見えていたり、不協和音的な納まりもあり、、、
完成は2ヶ月後、、、楽しみな仕事である。

ときわ台の家改装工事
設計:伊礼智設計室(伊礼智 梅田冴子)
施工:内田工務店
by satoshi_irei | 2007-06-23 16:12 | ・住まい・建築 | Trackback(1) | Comments(6)
Tracked from irei_blog at 2007-06-23 16:15
タイトル : 改装のための実測
都内の30坪ほどの住宅(築30年ちょっと)を改装することになりました。 というわけでスタッフひとりを連れて実測へ。 改装の仕事は気心が知れた相手(施主)なら本当に楽しい。 「古くて新しい事務所」(新建築・住宅特集2007年4月号)の時は 自分が施主なので本当に楽しかった(爆笑)・・・金はなかったが・・・。 現地に到着、 まず、ざっと全体を見て、写真を撮ります・・・展開図を起こすときに役に立つような写真。 次に図面が一切残っていないのでまず、プラン取りから・・・。 1/5...... more
Commented by tokyomachiya at 2007-06-23 16:50
ここの住人はTさんですか?
やっぱりカケヤ振り回して壁ぶち抜いて「住まいの匠」・・・そんな馬鹿な事しませんよね!
まともな設計者は、その家の文脈を読み取り、家族の生活を聞き取り、一つ一つ丁寧に紡いでいくんだろうなぁ。
楽しみです。
Commented by satoshi_irei at 2007-06-23 21:53
もちろん、テレビ的に派手にやる意味もありませんし、、、
暮らしにくいだけですよね。
あの番組は僕らにとってよかったのかどうか、、、
名のある建築家は出ていないですね。
Commented by kazuo-nakazato at 2007-06-27 20:15
弊社の事務所も改装中ですが、皆生き生きと好き勝手にやっています。
残業いとわず(笑)。
Commented by satoshi_irei at 2007-06-28 09:18
中里さん
楽しみですね、、、
この業界に残業と言う文字はありませんね(笑)、、、使ったことがありません。
Commented by ame-no-michi at 2007-06-29 05:20
うちの工作員が写っていることに家内が気づきました。
ありがとうございます。
Commented by satoshi_irei at 2007-06-29 09:29
谷田さん
長い出張、、、お疲れさまでした。
まだまだ工事は長いですが、既に違った空間となっていました(笑)


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