板橋でかねてから設計を進めていた改装が着工した。
築30年以上前の木造。図面もいっさい残っていなくて実測からスタート。
その辺りの話はトラックバック記事を参照いただくとして、、、。

「改装の楽しさ」が最近、分かってきたように思う。
ごっそり、まるで違うものに変えてしまう改装も「ビフォーアフター」的で面白いが
古くて新しい事務所(新建築 住宅特集2007年4月号)の改装は、
自分らしい仕事であったように思う。
必要に迫られてあわてて探した物件であったのに、
幸運にも「可愛いハナレ」に出会う事ができた、、、
名も無い小屋であっても、「友好的な対話(議論)の相手」に思えた。
「もとの空間の意味を完全に消すこと無く,
古い歴史のレイヤーと新しい意味とが重なり合うからこそ面白い」、、、
そんな改装ができたのではないか?
今回の物件も予算の関係から内部のみ手を入れる事になった。
解体前のインテリアは以下の写真のとおり。




床を補強したり、雨漏り箇所を確認しながら工事は進められている。
担当スタッフはフリーハンドで原寸の納まりを追われるように描いている。
改装の仕事こそ、現場任せにせず、きちんと図面を書き、
古いものと「対話(議論)」をすべきである。
納まりを書くに連れて、不安がなくなり、出来上がりの空間が頭の中で見えてくる。
白(新しい)と茶(古い)が混在するインテリア。
新しい枠の裏に古い枠が見えていたり、不協和音的な納まりもあり、、、
完成は2ヶ月後、、、楽しみな仕事である。
ときわ台の家改装工事
設計:伊礼智設計室(伊礼智 梅田冴子)
施工:内田工務店