八広の家もそろそろ落ち着いた頃でしょうか?
ここで、おさらいを兼ねてアップしておきたいと思います。
建坪、10、5坪、、、延床19、7坪+ロフトの小さな家です。
下町のご夫婦お二人のための住まい。
廻りの環境の中でひときわ小さい(笑)、、、いい佇まいになったと思います。
大きな軒が張り出したようなこの家は、
街に閉じず、街とほどよくつながり、どこか懐かしい空間を外部へ提供しています。
ある人は「雨宿りができる家」といい、
僕は沖縄の「雨端」(あまはじ)の感じ、、、とも思いました。
どれも同じ事ではあるのですが、、、。
室内は沖縄の月桃紙で覆われた柔らかな空間です。
月桃という植物は沖縄のハーブといってもいいでしょう。
香りが強く、防虫効果にすぐれ、沖縄では「サニンムーチー」(月桃餅)に使われる
ササのような葉です。
繁殖力が強く、エコ素材といって過言ではありません。
ロフトは畳を敷き詰めたご主人の隠り部屋、、、
3帖のタタミコーナーを介して上下が繋がります。
キッチンの横は冷蔵庫など収納があり、その奥がトイレとなります。
小さいながらも廻れるプラン、、、
廻れる事を機能性がいい、便利と言う事で語られる傾向があるのですが
実は動きの「自由」度が増すという事です。
世の中の様々な不自由なことから少し開放されるのです(笑)。
自由に動ける、、、、そう考えると、ちょっと違った感じがしますね。
和室の下部は田中工務店、お得意の「ムカデ収納」。
狭い空間でも収納が使い易いようにと考えられた優れものの収納です。
小さいけれども、あちこちにボリュームの違うさらに小さい空間があり、
それらが緩やかにつながっている家なのです。
それが写真で伝わるかどうか、、、。
設計:伊礼智設計室(伊礼智 梅田冴子)
施工:田中工務店(江戸川区西小岩3−15−1 TEL 03−3657−3176)