
「古くて新しい事務所」が紹介されています。
今回、事務所を移すに当たって、考えたことをまとめさせていただきました。
1軒家の借家(元、住宅)を事務所として貸していただけたこと(住宅並みの敷・礼ですんだ)。
現状復帰を条件付きではありますが、基本的にはしなくて良いこと、
限られた改装費での、整理の仕方など、
不十分ではありますがうまくまとまったのではないかと思います。
しかし、今であればもう少し、思い切ってつくり込んだかも知れません(笑)。
特集の巻頭で建築家で工学院大学教授の澤岡清秀さんが
「創造的再利用のススメ」という論文を寄せています。
「重層した意味を感じ取れる空間」、
「自分では絶対想定しないような予想外の前提条件」を与えてくれる対象か?、
そしてそれは「友好的な議論の相手」と成り得るか・・・
自分的にいうと「キュン」とくる物件かどうか(笑)・・・なんですが。
それは決して歴史的な価値が高いものとは限らなく、
僕らの廻りにたくさん埋もれているのではないか?ということを考えさせてくれます。
例えば、スカルパのカステルベッキオの美術館の改装などは
新旧のレイヤー(設計者の思考)が見事に融合していると思います。
あり得ない話なんですが、
改装前にこの特集を読んでいたら、
「古くて新しい事務所」の「新しい」部分をもう少し考えたでしょう(お金の問題はありますが)
古い部分(これまでの時間と関わった人々)と新しい部分(自分)との対話が面白いかどうか・・・
心許なく、ちょっと反省です。
改装の面白さはそんな所にあると思います。
今回は施主は自分でした・・・しかし、一番の難しいところは施主が
「友好的な議論の相手」と成り得るかどうかというところだと思います。
改装を考えている方々に是非、ご一読願いたいと思います。
「住む」春号と合わせてご覧下さい。

古くて新しい事務所
設計:
伊礼智設計室(伊礼智 梅田冴子)
施工:相羽建設
新建築・住宅特集4月号 2000円