


中村好文さんは
意中の建築で
俵屋について書くに当たって、すべて部屋を見せていただいたそうです。
その中で「竹泉の間」を選んで宿泊し、あの原稿を書いた・・・。
その時に「霞の間」もいいなあと思ったに違いありません。
俵屋に泊まる・・・という話をしたら「霞の間もいいよ」とアドバイスをいただきました。
というわけで今回は迷わず、この部屋をリクエストしておいたのです。
予約を入れた安心感で、それ以上は予習もせず、
旅館にたどり着いて案内されたところが旧館・・・
前回は新館(40年前に吉村順三事務所で設計したところ)なので、
ちょっとドキドキしたものです。
部屋は廊下の突き当たり・・・
なるほど中村さんの落ち着く部屋の条件のひとつをちゃんと満たしています。
中へ入ると・・・なかなか小さい・・・これも中村好みのような気がしました。
開口が中庭に向いてL型であるのみ・・・
明暗のはっきりした部屋で、まるで「小さなコートハウス」だと思いました。

その日は、もう俵屋初心者ではありませんのでのんびりして
翌日、プランを採ってみました。
ごらんのとおり、小さなコートハウスです。
内に隠りながら「外に向かう意識」が強く喚起されるような部屋です。
南国生まれの僕としては、最初は少し、圧迫感を感じたものでしたが
単純なプランは強い空間に繋がるのだなあ・・・と感心しました。
バッグから荷物を取り出し、それ相応の場所へセッティングしていくと
段々と自分の居場所になっていくから不思議です。

この開口廻りが何とも気持ちいい・・・というわけで、早速、実測!。
天井が2100を切っています。
開口の高さも1700を切っているところが、
ぐっと落ち着きを感じるところと圧迫感の狭間のような気がしました。
そういえば、
引っ越した新しいうちの事務所の内法の高さ(開口のの高さ)がこことほぼ同じなんです。
引っ越しを決めた理由は、実は「霞の間」が効いていたのかも知れません(笑)。
いや・・・よく考えるとその頃には、事務所の改装工事に、すでに入っていたわけですから、
この寸法はもともと相性がいい空間だったのでしょう(笑)。
