開口部廻りは外との関わりを制御するところ。
昨年、座談会でご一緒した哲学者の野矢茂樹さん(東京大学助教授)が
「設計って、外部をどう採り入れるかでしょう?」とおっしゃった・・・すごく新鮮なひと言だった。
光、風、熱、匂い、音、コミュニケーション・・・未知なこと・・・。
「いいものは外部からやってくる」、「生命力は外部に関わること」・・・
たくさんのヒントをいただいたように思う。
奥さんの家系が沖縄だ、ということで沖縄の外部空間との関わり方でいろいろとお話ができた。
今の家づくりは
外部との関わりはとても大事なのに、何も考えずにアルミサッシュを入れてしまう・・・
木製建具の精細な外部との関わり方(雨仕舞い、デザインの自由さ)、生活作法の文化、
木の技術・・・が消えていってしまった。
ガラスの魅力に押し切られていった・・・という感じだ。
また、法律が日本の木の技術を萎えさせているようにも思う。
嘆くだけではしようがない・・・
自分の知る限り、少しずつ、そこへ対処する動きが出てきている。
あきらめずに、やれることはやっていきたいと思う。
相模原の家
設計:伊礼智設計室(伊礼智 森泉綾)
施工:相羽建設(監督 早川 真)
写真:西川公朗