米原万里さんが亡くなられていたことを先日知った。
ロシア語の同時通訳者、エッセイスト、
テレビのブロードキャスターなどのコメンテーター・・・など、多才な方であった。
特に、「不実な美女か、貞淑な醜女か」や「魔女の1ダース」などのエッセイは
米原さんの真骨頂と言えるだろう。
通訳の世界の大変さ、面白さを
これだけ抱腹絶倒かつ深度を持って伝えられる人はいない。
惜しい人を亡くしたと同時に何冊かの「名著」を残してくれた・・・ご冥福をお祈りいたします。
米原さんとは、僕が独立した頃、
実は、いっしょに仕事をしている・・・いや、いっしょではない・・・。
米原さんの住まいの図面を書いたのは僕である。
設計したと書かないで図面を書いた・・・というのがミソ(笑)。
米原さんはとにかく建築家嫌いだった。
自宅をあるOMソーラーの加盟工務店に頼んだ。
その工務店から、僕に話が持ち込まれて、いろいろとあいだに入ってくれたのだが
建築家は要らない・・・自分で間取りを考えたい・・・
というわけで、結局、僕は実施設計をまとめることに終わった。
米原さんとは、一度も顔を合わせず、一度もお話ししたこともない・・・
仕事とは言えないような仕事である(笑)。
確か、OMソーラーの家だったはず・・・。
建築家もいろいろだ、ということを分かっていただきたかったのだが・・・。
もし、顔を合わせて家づくりをしていたなら、
彼女の著作の巾も広がったかも知れない・・・
僕も、もしかしたらロシア語くらい話せて・・・(ない!!)・・・
と思いつつ、新聞で訃報を読んでいた。