路上採取   下町(千住)の路地から学もの
ゴールデンウィークも近くになると、いつも某雑誌の編集者から電話がきます。
「夏号」に向けて、働かされることになるのです(笑)。
今回は千住の町について書け!!ということで、
プレ取材兼ねて久しぶりに千住を散歩してみました。
(住んでいるのですが・・・ほぼ休みなしで仕事しているので、久しぶりです)

千住に関しては多くの雑誌で紹介されていますので、
ちょっと違う切り口でまとめたいと思います。
「町と家のあいだ」から何を学ぶか・・・という視点でまとめてみようと散歩してみました。

「下町の巨匠」・・・千住は「生活感の連鎖」が楽しい町です。
街並みというのは形が整っているということだけでなく、
「生活感の連鎖」と言い換えることができるのではないか?と考えています。

アップした写真からは
玄関廻りの「しつらえ」について考えることがたくさんありました。
自転車をどう置くか?、路地を掃除するための掃除用具の行き場、
プライバシーを守るための植栽のあり方、それらを維持するための道具置き場・・・。

決して、うまく片づいているわけではないのですが、
だからこそ、学ぶことが多いような気がします。

下町というのは、生活とスペース(空間)がせめぎ合っている場所なんだと思います。
その矛盾がいっぱい路地に溢れ、優しさも、だらしなさも、ちょっと汚いところも、努力の跡も、
みんな見えて、面白いところなのではないでしょうか。


路上採取   下町(千住)の路地から学もの_b0014003_1851784.jpg路上採取   下町(千住)の路地から学もの_b0014003_18512758.jpg路上採取   下町(千住)の路地から学もの_b0014003_18514517.jpg


採取場所:千住
採取日時:06年4月

・「チルチンびと 6月号」に「町とのほどよい関係」という論文を書いています。
 発売はまだ先ですが、合わせてご覧下さい。
 その号には東京町家・9坪の家も詳しく取り上げられています。
by satoshi_irei | 2006-04-27 20:31 | ・路上採取 | Trackback | Comments(5)
Commented by tokyomachiya at 2006-04-28 00:02
東京の街は、昔から『山の手』と『下町』があるように、地勢(コンタ)で外郭が決められていました。
渋谷から恵比寿にかけては、起伏に富んだ街が繋がりますから、○金と○ビが、背中合わせに現れ人生の縮図を見る思いがします。
情緒ではなく、物理的コンタで下町を考えるのも面白いですよ!
実は、30年前真壁さんとやったんですよ。サーベイ・・・。
Commented by stilwell at 2006-04-28 05:08
中沢 新一のアースダイバーの
建築版を書かれてはどうでしょうか。
千住は地図からみると、郊外と都心の境界にありそうで、
古い町並みと現代が混在していそうですね。
Commented by satoshi_irei at 2006-04-28 09:47
アースダイバーは秋山東一さんたちが仲間でやっておられますね。
僕は自分の設計の興味の観点からまとめたいと考えています。
普段の設計に還元できることしかやりようがありません・・・
学者ではないので。

情緒だけで下町を捕らえるのは、興味がありませんね。
実用的な生活の知恵を学ことだと思います。
町との距離のなさをどう解決するか、小さな住まいにどのような問題が出ているのか・・・路地に現れています。
Commented by kazuo-nakazato at 2006-04-28 19:52
「下町の巨匠」の千住で生まれ育った私には隅田川、石炭場、板張りの汚い家などが身に染み付いているようです。
ヨーロッパにあこがれた源泉のような気がします。
Commented by satoshi_irei at 2006-04-28 21:11
中里さん
良く分かります。
最初、千住の4号線の風景を見たとき、
決していい印象はありませんでしたから(笑)。
でも、日本のいい面も知っていますので、
下町のいいところを生かしたいですね。


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