


東中野の家では街と家の間に、ほんのちょっとした工夫をしてみました。
ひとつは南側のデッキを300あげて、街との距離をつくりながら
リビング床が一段下がっているような感覚・・・「たまり」を創りました。
街に解放しながら、街に向かうのではなくて、
300上げた敷居に座り込み、街を背にして内に向かう感覚が生まれました。
それが街との実際の距離以上に「引き」を創ったのではないかと思います。
もうひとつは敷地の角を解放したことです。
囲い込んでコートハウスにするという手もあるでしょう・・・ここはしかし、
あえて、角を解放し、1軒の家で「町かど」が創り出せたのではないと思います。
その角に樹木を1本植えることができたら、街との領域が視覚化されて
より、街とのよい関係ができるでしょう。

設計:伊礼智設計室(伊礼智 島華子)
施工:田中工務店(田中健司)