「内に外を持つ家」、3人家族のための、延べ床面積30坪ほどの住まいです。
プライバシー守りつつ、外に開くあり方を探ってみました。
設計:伊礼智設計室(伊礼智 一場由美)
施工:阿部建設
造園:荻野寿也
アプローチから建物内部に入ると内部化された庭が現れます。
囲われた中庭の壁はそのまま立ち上がり、2階部分も包み込みます。
アオダモの木が、うがたれた屋根から空へ顔を出します。
(アオダモは成長がかなり遅い木・・・このような条件に打ってつけです)
緑を身近に感じる半戸外のバルコニー空間。
リビングと庭の関係。
開口部は片引き込みの木製建具、
外から網付きガラリ戸、ガラス戸(ペア)、明かり障子のいつもの構成。
梁をさけるようにうねった天井(カモメ天井とも呼ばれています)は
光も音も空間も和らいだように感じます。
壁の仕上げは高千穂のシラス漆喰・・・シラスと漆喰の良い部分をあわせ持ちます。
斜めに飛び出したコーナーはご主人の書斎。
小窓から中庭の植栽が楽しめます。
内に外を持つ家のディテール。
床下からの温風吹き出し口は施行してくれた阿部建設の大工の手によるもの。
空気集熱式ソーラーシステムを導入した住まい用に阿部建設が工夫したディテールです。
もともとは丸谷博男さんがはじめたものですが、独自の工夫を取り入れ
風量調整ができて、使いやすく、丈夫で完成度も高い。
この家ではエアコンを床下に吹き込んで床暖房を試みています。
冬は床がフラップのように開いて、温風を床下に吹き込み、
夏はフラップを閉じて冷風を室内に直接出します。
設定温度22℃、風量を強で吹き込んで
床の表面温度を測ってみたら、エアコンから遠いトイレの温度でも18℃、
そのほかは20℃前後ありました・・・なかなか良い結果です。
簡単なアーム付きペンダントも創ってみました。
引越し後の「内に外を持つ家」の様子。
(有)伊礼智設計室
住所:〒171−0031 東京都豊島区目白3−20−24
電話:03−3565−7344(FAXとも)
メール:irei@interlink.or.jp
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