小平の家  空間のボリュームについて
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*程よいボリュームを押さえる。

学校を出て、丸谷さんの所に勤め始めて、初担当だった住宅でのこと、、、。
基本設計を詰めて、丸谷さんに相談したら
「今、住んでいる家(施主が)はかなり広い家だから、、、、」といって
少し、建物の幅を広げたり、奥行きを感じるような天井のあり方を検討していた。
自分としてはスパ〜ンとはっきり、割り切れるような空間がいいと思っていたのだが、
部分的に膨らませたり、ちょっと「細かい手入れ」がチマチマしているように思えた。
しかし、結果としてそれがよかった。

今、建て主が住んでいる家を見ることの大事さは何か、、、と言ったとき
ひとつには、「今まで住んでいた住まいのボリューム感」を意識すること、、、と言えると思う。
新しい住まいができて、「明るい」、「広い」、「気持ちいい」、「心地よい」、、、といった感覚は
前の家と比べて、これまでの身体にしみ込んだスケール感、ボリューム感との比較であるはず。

あの時、丸谷さんはそれを言っていたのだ。
それは、決して、それまでの住まいより天井を高くするとか、広い家にするとかと言った
数字で大きくすることではなく(できるならその方が簡単なのだが)、
そう感じる空間を様々な手法で工夫することになる、、、
たいてい、敷地やら法規やらいろんな制約があるから簡単ではないのだが、、、。

小平の家も広々としたマンションにすっきり住まわれているクライアントだったので、
初めて、お宅を見せていただいたときから、
この家のテーマは「ゆったりとした程よい空間のボリューム」を押さえること感じた。
(曖昧な言い方だけど、、、)

ボリューム感覚の良さは、建築家にとって、とても重要な能力のように思う。
プロポーション感覚の良さに繋がることだし、その感覚が優れている人が
設計がうまい、デザインがうまいと言われる人たちに違いない。
そうなりたいと思いつつ、どうすればいいのやら、、、。

設計:伊礼智設計室(伊礼智 森泉綾)
施工:相羽建設(監督 相田隆行)
by satoshi_irei | 2005-02-28 16:17 | ・住まい・建築 | Trackback(2) | Comments(2)
Tracked from 中里のひとり言 at 2005-02-28 17:18
タイトル : 小平の家-4
2階の居間をすばやく暖めるために、OMの立下りダクトに中間吹き出しを付け、2階床上に暖かい空気を吹き出す方法がとられています。 左の写真の格子の中から吹き出してきます。 格子はすっきりと納めるため、枠が出ないように工夫されています。 右となりは階段室との暖冷気を遮るときに閉める、腰高の引き戸です。今回は白く塗られています。 右の写真は先の格子の横からのものですが、空気が吹き出されるのに格子に反射して、逆流しないように裏側は斜めにカットされ...... more
Tracked from 中里のひとり言 at 2005-02-28 21:07
タイトル : 小平の家-5
小平の家  空間のボリュームについて ロフトからリビングの吹き抜けを見下ろした写真です。 真ん中に迎川さん、その左が相羽建設の営業マン・・(かわいそうにひっきりなしに見学客が来るものですから、昼食をとる時間がなくて一人見張りを付けて風呂場の中で大急ぎで弁当を食べていました(笑)。) 右に伊礼設計室の森泉さん、かわいい女性です。でもスタッフには見えませんね、その隣が弊社の女性の設計スタッフです。 ほんの一瞬の空いた時間です。この後またぞろぞろと・・・・。すごい!です。... more
Commented by 中里 at 2005-02-28 20:45 x
あの私には新鮮だったバルコニーに出る木製建具の高さが微妙なのですね。
このアングルからの写真ではすっきり納まっているんですが、キッチン側から見るともう少し高さが欲しいと感じたのです。
Commented by satoshi_irei at 2005-02-28 21:38
高さが1860。
最初の頃は天井までの高さでしたが、天井との取り合いで下げました。

納まり的に下げたことは正解ですが、1890〜1950位の方がよかったかもしれませんね。あるいは障子にできればよかったでしょうね。
ブラインドでなく障子だとちょっと低めでも目あたりはいいですから。


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