富山・高岡の家(延べ床面積40坪の終の住み処)
設計:伊礼智設計室(伊礼智 小倉奈央子)
2014年度の富山建築賞、優秀賞をいただきました。
施工:ミヤワキホーム
造園:荻野寿也
写真:伊礼智
富山・高岡の家がほぼ、完成しました。
あとはリビングのストーブ横へ「たためるソファ」,「テレビ台」、
和室に「文机」が来るのを待つのみ。
仕事の打ち上げを兼ねて最終のチェックへいってきました。
今回は天気が悪く、室内だけ、きちんと撮影をさせて頂きました。
宮脇社長の住まいとして設計されているのですが、
当分の間、モデルハウスとして公開されます。
子育てを終えた、ご夫婦の「終の住み処」というテーマ。
コンパクトでありながらも、これから先の人生を楽しめる住まいの提案です。
3人の子ども達が、家族を連れて帰ってきたときも
家族の帰る場所として2階に小さな部屋を用意してあります。
また、工務店として地域に繋がり、地域の文化に貢献ができるように、
この住まいは地域の「ものつくり人」や大学に開放され、
様々なイベントで利用できるようにと考えています。
外観・外回りの様子はこちらから
リビングの家具デザインは
家具デザインナーであり、富山大学教授、「たためる椅子」の制作でおなじみの丸谷芳正さん。
スタンドは吉村順三さんの山荘のスタンドを復活、ダイニングテーブルは地桜。
普段は小さなラウンドテーブル、必要に応じて楕円形に伸び縮みします。
ストーブはシモタニのペレットストーブ。
2階の天井に仕込まれた軸流ファンで、
空気を回収して床下に送り込み、上下の温度差の解消と、1階床の底冷え対策としています。

地元の木を活かしたい・・・という要望で、
あえて真壁にせず、木の柔らかさを表現するために
大梁を避けるようにアールの天井を創りました。
キッチンはぐるっと廻れる動線を持ち、
リビングにも水廻りにも動きやすく、ストレスを少なくしてあります。

リビングの横は階段を挟んで寝室でもある和室。
階段下の小さな書斎ともつながり、リビングへ抜けられます。
襖の絵は富山大学の学生が書いてくれました。

キッチンの北側は水廻り・・・桧の板張りです。


2階には3部屋要されています。
吹き抜けとつながる部屋は襖で仕切ることができます。

天井を低く抑え、柱・梁を見せた9畳の広間も2つに仕切ることができ、
合計3部屋の予備室となります。


1階に戻って、開口部の話を・・・。
2間幅の木製建具はフルオープン可能、アミ付きガラリ戸+ペガラス戸+障子の構成。

ガレージからアプローチできる納戸と
その脇には洗濯室があります。
ここにも小型のシモタニのペレットストーブが設置させていて、
洗濯物を乾かしながら、家を温めます。
その暖かい空気は2階で回収されて床下へ送り込まれます。
外廻りはもう冬支度、昨日の雪がちょっと残っていました。
造園はこちらも荻野寿也さん。
荻野さんが宮脇社長に話した言葉・・・
「高岡の寒さに耐えてがんばるよう、木々たちに言い聞かせてありますから・・・」とのこと。
荻野さんの仕事に対する厳しさと同時に暖かさを感じる言葉です。
それにしても建築は生きものですね!!
内外ともに、時間とともに変化していくことでしょう。
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