今回のバリの旅の最大の目的は「アマンダリ」に泊まること・・・
その空間で短い間でも暮らしてみることが建築を理解する近道だと思います。
「アマンダリ」は約20前に建てられたリゾートホテル。
今のバリスタイルを確立した由緒あるホテルです。
あるホテル関係者に聞いた話ですが、
設計に当たっては京都の「俵屋」に泊まり込み、俵屋を研究したとのこと。
「俵屋」の簡素にして品格のある有り様が「アマンダリ」にもきちんとありました。
大型リゾートの快楽的な贅沢さとは異なる豊かな時を感じます。
まず、「俵屋」と似たところはその素っ気ないアプローチ・・・村の路地から入ります。
この路地の両脇は植栽で覆われているとは言え民家・・・
大型のリゾートであれば、買い占めて綺麗にデザインしたことでしょう。
「アマンダリ」はこの村に負荷を与えないあり方を実践しているようで
このごく普通の、村の路地のようなアプローチは意図してやっていることかもしれません。
途中でセキュリティチェックを受け奥へと進みます。
俵屋の入口
車寄せの向こうはデスクがひとつ置いてあるだけのレセプション。
車待ちのためのソファが反対側へ置かれています・・・この簡素さがしびれます。
レセプションの向かいは中庭を挟んでレストランがあります。
レストランに繋がる廻廊の屋根は中庭と渓谷を結ぶラインで切れて、
渓谷の存在を暗示しています。
廻廊は低く抑えられていて、軒先の高さが約2000ミリでした・・・品のいい寸法です。
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