数年前、ソウルを旅したとき、ソウル市内に小さな民族園があることを知りました。
郊外に有名な民族村があるので、たいした期待もなく訪れたのです。
ところがその中に、下級氏族の家で小さな部屋(寝室)が3つ繋がる、
何とも可愛い住まいを見つけました。
その日はあいにくの雨、それでも、傘を片手に夢中になって実測をしたものです。
小さな空間が3つ繋がる魅力が、それ以降ずっと頭の中に残ってしまいました。
現場で採った実測スケッチ。
たまたま、秩父の家の設計始めるにあたって、ご要望を組み立てる切り口として
思い浮かんだのが、このソウルの
南山ゴル・韓屋マウルで実測した民家の構成でした。
上はプレゼンテーション時のスケッチ・・・
この提案がそのまま残りました・・・うれしい。
完成間際の現場写真です。
まだ、家具が入っていませんのでちょっと寂しい。
リビングの脇にストーブコーナーがあり、2段上がって絵本を読み聞かせする小さな部屋、
反対側に一段下がって、庭を楽しみ、客間としても機能する「庭座」を創りました。
あの、ソウルの小さな部屋が3つ続く、楽しさを再現しようとしたのです。
その関係が伝わるかどうか・・・。
居場所があちこちにあることで、一緒に居ながら、距離感を持って居られる。
そんなことを考えていたのだと思います。
明日、木曾三岳奥村木工所からダイニングテーブル「Nテーブル」が到着、
リビングから「アシビナー」(遊び庭)に繋がり、それを挟んだ縁台が
3つの小さな空間と繋がる。
それがこの住まいの特徴となるでしょう。
残念ながら、クローズしたオープンハウスとなりますが
ブログ上でできるだけごらん頂けるように工夫したいと思います。
秩父の家(OMソーラー搭載)
設計:伊礼智設計室(伊礼智 一場由美)
施工:小林建設
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