何もしていないときが考えているとき
先日、真壁さんから面白い話をお聞きした。
真壁智治さんは新建築・住宅特集で建築家の自邸の検証レポートを連載している。
その関係だったと記憶しているが清家清先生の自邸を訪ねられた。

そのときの長女の方のお話である。
子供の頃、先生が仕事をしているときは、もちろん邪魔をしないようにしていた。
仕事を終えてゆっくりしているとき、甘えて抱きついたら怒られたらしい。
「建築家は何もしていない時に考えているから・・・」とのこと・・・。

子煩悩で家庭人のイメージがあった清家先生なのだが
こんな厳しい一面があったようだ。

これは清家先生が授業で話してくれた事・・・。
「設計は壁や柱を描いているけれど(費用もそこにかかっている)、
欲しいものはそれ以外の空間です」

図面を描いていないときに考えていて、図面に描いたもの以外を設計している。
ぼくらの仕事は一般に人にはわかりにくいと思う(笑)


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by satoshi_irei | 2009-08-09 12:47 | ・住まい・建築 | Trackback | Comments(4)
Commented by tokyomachiya at 2009-08-09 16:05
写真には写りようが無い空間を、あたかもあるように見せて売る建築雑誌は、読者にかなり高度な共通認識の学習を必要とする。
それはまるで、能の世界と同じ約束事の閉じられた世界。
最近大学でもこの約束事を教えないから、住宅雑誌は売れなくなってしまった。
Commented by satoshi_irei at 2009-08-09 16:09
迎川さん
写真では建築はわからない・・・と言うことですか?
Commented by tokyomachiya at 2009-08-09 17:40
写真は空間を構成する部材しか写りませんよね。
これをヒントに、自分の経験と知識を照らし合わせて、空間を想像するのですね。
訓練が必要です。
学生の頃、坂本一成ゼミでは、建築雑誌の読み方を教わりました。
空間はやっぱり数多く良い空間を体感することですね。
Commented by satoshi_irei at 2009-08-09 17:51
なるほど・・・
「建築雑誌の読み方」という本を書いたら
売れますでしょうか(爆笑)


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