小さな家への指向が急速に高まりつつある。
最近、ビルダー達が小さな家を低価格化して、
この不況に対抗しようとしているらしい。
ファストフード感覚の住まいが続々と提供されてくるだろう。
それは日本の住環境を決していい方向へ導くことはないように思う。
日本で名作と言われる住宅はほとんど小さな家である。
建築家の世界の話であるから、
一般の人たちからみると変わった家(家族構成が特殊)、
一般の人たちはとても住めない家(実験住宅)である・・・
といってもいいだろう。
そんな家は確かに多い(魅力はあるのだが)・・・
でもその中にも、特殊でない、珠玉の小さな家はある。
そんな小さな家の魅力は何か?
そぎ落とされた生活(本当に必要な)の器であるように思う。
それが以下に通じる。
*周辺の住まいに比べて小ぶり(面積が小さい、高さが低い)
であることが可愛く思える。
その家に関わった人たちの奥ゆかしさ、寛容さ、優しさを感じる。
*決して安普請ではない・・・丁寧に設計され、丁寧に造られている。
たとえ安い素材でできていたとしても
独特な気概と気品を感じる。作り手や住まい手の人格、知性が出る。
住まい手の暮らしがよく現れている。
設計も決して住まい手にこびているわけではない。
むしろ、住まい手がうまく住みこなしている。
「住むチカラ」を感じる。
*良識的な設計、良識的な工法でできているのでメンテナンスがし易く、
実際にメンテがなされている。
改築、増築がなされ、庭(身の回りの自然)が変化して・・・
住まい自体が生きているように感じる。
住まい手の人生を感じる。
と言うわけで、
小さな家の魅力とは、まとめると・・・
住むこと(使うこと)の原型(意地、理不尽さ、楽しさ、ある決断・覚悟、など)
を感じさせてくれる家だと思う。
数字の小ささではなく・・・・。
小屋の魅力もそこだと思います。
そんな小さな家が
ビルダーから続々と出てくるとはとても思えないのだが・・・。
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