イザットハウスの総会で講演をしてきまました。
新建ハウジングの編集長三浦さんとぼくがゲストとして講演をおこなったのですが
三浦さんの話と共感することが多かった・・・。
その中でも冒頭の話が興味深い。
オバマ大統領の就任のスピーチを引き合いに
これからの家づくりは作り手も、建て主も、社会に対する大きな「責任と義務」を
背負っているはずだということをお話しされました。
大きなエネルギーを使って家を建て、その後も大きなエネルギーを使って
暮らしていくのだから、建て主は社会に対して
責任と義務を負っていると感じるべきなのだ・・・と。
ぼくも、最近強く思うようになったのは
建て主が良くならないと、日本の住まいも町も良くならないということ・・・。
これからは、建て主に対して(社会に対して)、
プロフェッショナルとして揺るぎない価値観を提示できるようになることが必要だと思います。
住宅産業に見られる、
次々に打ち出す国の方策を追従し、高性能仕様・性能表示で同業者への
差別化を計ることに躍起になり、建て主の要望に何でも答えることが善の
住まいづくり(生き残り策)というのはみっともないようにも思います。
社会(建て主)に対する創り手としての価値表明を
きちんとしていく事が大事ではないか・・・。
その価値の見極めをしなければならない時期だと思います。
その上で、真摯に伝える努力をしていく・・・と言うのがプロフェッショナルではないかと・・・。
ここ数年で工務店は半分、設計事務所は1/7になると言う話があります・・・・
その別れ道はそんなところにあるように思います。
もうしばらくすると、三浦さんと取り組んできた
「伊礼智の住宅設計作法」が出版されます。
工務店向けに新建ハウジングで連載してきたものに手を加えてまとめ直しました。
工務店に向けて伝わるように、構えないで、
まるで普段、ブログを書くように書いています。
それが、作品集でもなく、図面集でもない、ちょっと変わった本になりそうです。
構えてないことが良かったのか、割と素直に言いたいことを書けたと思います。
オバマ大統領ではないけれど、
それが自分の社会への意思表明みたいなものです。