伊礼智OM設計スクール  まとめ
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2007年度の伊礼智OM設計スクールの報告が「きょうゆう」1月+2月号に掲載された。


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優秀賞3人のプランと
吉井歳晴さんを迎えて行なった最終講評の様子と全体の経過を
OMソーラー協会の中村正吾さんがまとめてくれた。

今回のスクールでは2つの課題を出した。
「**のない家」と「働く場のある住まい」。
「**のない家」は普段、あたりまえに住まいにあるものをなくしてみたとき(見えなくしてみる)、
何か新たなものが見えるだろうか?
豊かな暮らしが浮き出てくるだろうか?という課題であった。
この課題と最終課題の「働く場、、、、」を繋げて捕らえるような
課題設定にすればもっと良かったように思う。

OM設計スクールは永田昌民氏、秋山東一氏、野沢正光氏などの先輩方が長年、続けてこられたものである。
このスクールを通して、OMの工務店は設計力を付けて来た。
特に秋山さんの「フォルクスハウス」を学ぶことが
工務店の設計力の向上に大きな影響を与えることとなる。

このスクールは2年前から、ぼくが担当することになった。
工務店がフォルクスハウスの「型」を学んできたことの有効性をいかしつつ、
原点に戻って、設計とは「よく考えること」、その上で高いレベルで標準化を行なうこと、、、
を伝えようとしているのだと思う。

チカラのない工務店ほど、システムに飛びつき、
見た目だけのかっこいいデザイン(僕らから見るとかっこ良くない)や
納まりを安易に取り入れたがる、他の工務店のマネをしたがる、、、
つまり、あまり考えようとしない。

OMの加盟工務店の設計が
どこも似たようなものになったのも事実である(優秀な工務店は別)。

そこをもう一度ほぐしてみようと思う。

上の写真の次のページに生徒さん達のスクールに参加してのコメントが寄せられている。
ひとつひとつ丁寧に読んだ、、、懐かしい。

課題が優秀なひとほど、コメントが具体性に富み、独自の視点が現れている。
スクールでも、コメントの練習をしてもらったつもりである。
「デザインはコミュニケーション」、、、与えられたコメントの機会を大事に思い、
最大限活かして自分の切り口を表現する癖をつけよう、、、
言葉に魂を込めるくらいに、、、そうすればずっと普段の仕事も生きるはず!!

眼を養い、手を練って、咀嚼力を身につけ、
表現する力とコミュニケーション能力を身につける。
それがぼくのスクールの目標となるでしょう(笑)。

来年もやることになっています、、、来年はこちらから
皆さんの地域に巡業させていただくようになりそうです(笑)。

それでは、生徒の皆さんお疲れさまでした、、、そしてまたお会いしましょう。
by satoshi_irei | 2008-01-06 16:16 | ・掲載誌 | Trackback | Comments(4)
Commented by adsan at 2008-01-07 10:44
あけまして、おめでとうございます。

「チカラのない工務店ほど、他の工務店のマネをしたがる、、、つまり、あまり考えようとしない。」…正月早々、目の覚めるお言葉です。年末に好文さんの講演を聴きに行ったのですが、好文さんがご自身で建てられた別荘(小屋)について、「仮にこの家を(完成型として)売りに出ていたとしても、自分は買わないだろう」と言っていたことを思い出しました。好文さん曰く、「いろいろと考えて工夫することを愉しみたいんです。」…自分も創る過程を大切にしていきたいと思います。

本年もよろしくお願いします。
Commented by Shogo at 2008-01-07 16:24 x
設計とは、「よく考えること」、その上で「高いレベルで標準化を行なうこと」
いい言葉ですね。
スクールでは、この事を念頭に置き、進めていきます。

工務店の設計力、工務店力を伸ばすために、今年も行います。
今年もよろしくお願いします!!
Commented by satoshi_irei at 2008-01-08 09:43
塚本さん
設計事務所は設計すること(よく考えること)が仕事。
工務店には現場で実際に作っているという強みがあります。
好文さんはそれを高いレベルで両方やってみたのですよね。
奥村先生もそういうタイプでした。
家具を作っている建築家はそういうところが強いですね、、、反省です。
しかし、設計者は設計者の役割をきちんとする(ちゃんと考えて図面を書く)、、、、
まずはそれを続けたいと思います。
Commented by satoshi_irei at 2008-01-08 09:51
正吾さん
「よく考えること」というのは奥村先生の言葉です。
0Mという設計がそうでしたね。
今年はさらに楽しいスクールにしたいですね。


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