居住コース、沖縄研修の成果
昨日は日大生産工学部居住コース(4年生)の講評会。
先日、沖縄研修に合わせて現地(石垣島)で出した課題。
担当教官は中村好文教授と曽根陽子教授におまけで伊礼智。

川平湾を一望する敷地を4つに分け、それぞれグループで小さな集落を設計する。
途中、研究室を覗いてみた時は頼りない感じであったが
何とかおっつけてきた(泊まり込んでやっていた)。

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Aグループは沖縄の「風」に着目した。
地形を読み取り、東(海)の風と西(陸)の風を建築化する。

石積みの柔らかな曲線が外部と内部を貫く。
風を利用して雨水をくみ上げたり、天窓を利用して
風をコントロールする仕掛けなど、ちょっと詰めが不十分ではあったが、
実施可能な秀作であった。


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「風が創りだした集落」と思わせるような図面表現が
もう少し丁寧であればなお良かったと思う。
先日、久米島で見た海岸の白砂を思い出した。
波と風が創りだした模様が重なって見えた。

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Bグループはヒンプンのハレとケに振り分ける役割を取り入れて
集落の中に公と私のヒエラルキーをつくり出そうとしたようだ。
ただ、住まいの構成が単調で
そのヒエラルキーが創りだすであろう道空間の楽しさが伝わってこなかった。

久米島の上江洲家で見たような「ハレのヒンプン」と「ケのヒンプン」が創りだす
迷路のような道空間が分棟化された住まいに繋がって、
ハレとケを分けたつもりが、どこが表(公)?でどこが裏(私)なのか?
分からなくなるくらいが面白かっただろうと思う。

Cグループは「畑の下に住む」、、、屋上が菜園にとなった集落を考えた。
集落に大きな畑の屋根を架け、その下に遮熱(蓄冷)された涼しい路地がネットワークされている
、、、沖縄の「熱」に対する解答がなされて、野菜づくりという楽しみにつながる。

そんなコンセプトが素直に明確に表現できていれば良かったのだが、
図面の書き方が間違っており、模型もラフすぎて意図が伝わってこない。
可能性の高い案だけにもったいなかった。

Dグループは沖縄の良さはあいまいな空間にある、、、という事で
ヒンプンやアマハジ(雨端、、、軒下空間)を利用して外部空間を曖昧化しようとしている。
個々はそれなりに良く出来ていたと思うのだが、全体としてのまとまりが見えない。
曖昧化しただけではダメでそれに何か明確にする、領域を暗示する設計が
必要だったのではないかと思う。

沖縄の昔の家は柱と屋根しかないようなもの、、、。
だから空間が曖昧になって、緩やかに外部とつながるのだが、
大きな、しっかりした屋根がひとつの領域を示している。
「雨のかからないところが室内」という領域とも言える。

このグループは「屋根という概念」で曖昧な空間をつなぎとめて
全体をまとめた方が良かったように思う。

さて、講評が終わったあとは、居住恒例の宴会。
4年生が手作りの沖縄料理を用意してくれた。
ゴーヤーチャンプルー、ジューシーメーのおにぎり、ソーミンチャンプルーなど、
石垣島研修にちなんで泡盛も「八重泉」。

今回の研修はぼくにとっても収穫の多いものだったと思う。
学生からいいヒントをたくさんもらった。


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by satoshi_irei | 2007-08-09 14:10 | ・住まい・建築 | Trackback | Comments(4)
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Commented by tokyomachiya at 2007-08-10 10:29
風の流れをデザインするボイドプラン。
この通り上手く流れてくれるか、沖縄に持っていって天然風洞実験したいですね。(笑)
沖縄空間の持つ曖昧さ、その居心地の良さが今注目されていますが、ただ曖昧なだけではだらけてしまう。その曖昧さを活かす空間の文脈がポイントですね。
Commented by kazuo-nakazato at 2007-08-10 12:03
私も分身の術を使うと言われていますが、伊礼さんはタイムマシンを操るとでも言うのでしょうか。
移動距離も、やっている事の多岐さも比べ物になりませんね。
しかも、おいしそうな料理が付いて回る。時間を操っているとしか考えられません(笑)。
Commented by satoshi_irei at 2007-08-10 14:45
迎川さん
沖縄はアメダスデータで確認しても分かるのですが
風向が頻繁に変わるので、風を拾う事を考えなければなりません。
 
Commented by satoshi_irei at 2007-08-10 14:54
中里さん
おいしそうな料理が付いて回る、、、今のところ、おいしいビールも付いて回っています。しかし、
その内、中里さんのように飲めなくなるかもしれません(寂)。


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