納まりの話をする前に、客室の水回りの写真をアップしておきましょう。
左の写真が、次の間・・・ちょっと彫り込まれて座椅子が並んでいた背の部分です。
小竹のスクリーンで入り口からの視線を遮るようになっています。
地袋の上には電話は旅館の案内、中村さんの「意中の建築」や
村松さんの「俵屋の不思議」が置いてありました。
真ん中の写真は前室からサニタリー部分への入り口となります。
奥村先生がTOTO通信の中で話していましたが、
このような布も女将と一緒に買いに行ったそうです。
和服の生地をたくさん買ったようですね・・・。
右の写真がトイレの手洗い部分ですが、驚くほど簡素ですよね。
板の手洗器、内部に銅板が張られていました。
しかし、どこにも豪華さがないのです・・・さすがです。
豪華さやけれんみのない、質素な品の良さに満ちあふれた空間です。
お風呂は高野槇の浴槽と檜の壁です。
僕はいつも15ミリ厚のサワラを壁に使うのですが、ここは1ミリ厚・・・
壁がちょっとペナペナしていました。
メンテナンスが楽と言うことでしょうか?・・・よくわかりません。
奥村先生曰く、
窓の高さも照明の高さも座った時を基準に決めたとのことでした。
照明が低いとお風呂の水面が明るく輝いてきれい・・・。
ここに、和風のシンプルな浴室の基本がすべてありました。
・しかし、かなり暗いんですよ・・・相変わらず(笑)。