俵屋 4  簡素な水回り
俵屋 4  簡素な水回り_b0014003_16234957.jpg俵屋 4  簡素な水回り_b0014003_16242441.jpg俵屋 4  簡素な水回り_b0014003_1624997.jpg
納まりの話をする前に、客室の水回りの写真をアップしておきましょう。

左の写真が、次の間・・・ちょっと彫り込まれて座椅子が並んでいた背の部分です。
小竹のスクリーンで入り口からの視線を遮るようになっています。
地袋の上には電話は旅館の案内、中村さんの「意中の建築」や
村松さんの「俵屋の不思議」が置いてありました。

真ん中の写真は前室からサニタリー部分への入り口となります。
奥村先生がTOTO通信の中で話していましたが、
このような布も女将と一緒に買いに行ったそうです。
和服の生地をたくさん買ったようですね・・・。

右の写真がトイレの手洗い部分ですが、驚くほど簡素ですよね。
板の手洗器、内部に銅板が張られていました。

しかし、どこにも豪華さがないのです・・・さすがです。
豪華さやけれんみのない、質素な品の良さに満ちあふれた空間です。

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お風呂は高野槇の浴槽と檜の壁です。
僕はいつも15ミリ厚のサワラを壁に使うのですが、ここは1ミリ厚・・・
壁がちょっとペナペナしていました。
メンテナンスが楽と言うことでしょうか?・・・よくわかりません。
奥村先生曰く、
窓の高さも照明の高さも座った時を基準に決めたとのことでした。
照明が低いとお風呂の水面が明るく輝いてきれい・・・。
ここに、和風のシンプルな浴室の基本がすべてありました。

・しかし、かなり暗いんですよ・・・相変わらず(笑)。
by satoshi_irei | 2006-01-03 16:36 | ・俵屋旅館の不思議 | Trackback | Comments(11)
Commented by brizu at 2006-01-03 20:19
明けましておめでとうございます。
これから家を建てようと思うものとしては、
お風呂はこだわりたいポイントです。
お写真のような木の雰囲気は理想だったりします。
本年もよろしくお願いいたします。
Commented by boro9239 at 2006-01-03 23:41
あけましておめでとうございます。
やっぱり俵屋でゆっくり、とはいかなかったようですね・・・。
そのおかげで有益な情報、ありがたく拝見させて頂いております(笑)。
それにしても「アーネスト・スタディ」、いいですねえ。
Commented by tokyomachiya at 2006-01-04 10:51
何処も豪華なところはないが、ただ品格がありますね。
これが住まいの理想的な水周りと言う気がします。
浴室の壁は1mm厚のヒノキ?薄板練付になっているんでしょうか?
吉村先生が、湿気のある場所で練付とはどうしたことでしょうね。
ここは、東京町家の15mm厚の方が良いですね。
1升枡に銅板を貼って、トイレの手洗いなんていいですね!
今度やってみましょうか。
Commented by stilwell at 2006-01-04 11:49 x
新年おめでとうございます。
簡素で品のよさ、品格にひかれたのですが、
水周りをそのまま再現してもらうことは、
慣習から不可なのでしょうか?
Commented by satoshi_irei at 2006-01-04 15:02
brizuさん、
お役に立てれば幸いです。
今年もよろしくおお願いします。
Commented by satoshi_irei at 2006-01-04 17:43
竹内さん、
俵屋ではのんびり、実測していました(笑)。
でも、やると違いますよ・・・これまで手元にあった
俵屋の図面がよく見えてきます。
Commented by satoshi_irei at 2006-01-04 17:45
迎川さん、確かに「品」があります。
やりすぎても品はなくなるし、手を抜いても品は出ませんね・・・。
Commented by satoshi_irei at 2006-01-04 17:47
stilwellさん、
あの水回りは、檜のスノコのメンテナンスだけ、
きちんとやれば問題ないと思います。
奥村先生がスノコの裏に銅板を貼ると「持ち」が
まるで違うとも言っていました。
裏とはどの部分かがはっきりしませんが(笑)。
Commented by stilwell at 2006-01-04 20:05 x
説明不足でした。
俵屋の部屋の設計図をコピーして
よその家に施工してもらうことは
可能なのでしょうか?
Commented by satoshi_irei at 2006-01-04 20:20
stilwellさん、
著作権というのがあるので、
図面をコピーしてと言うのは難しいでしょうね。
写真などから読み込んで、
自分で図面を起こしてと言うことであれば問題ないでしょう。
ただ、俵屋は今のお金で言うと
坪あたり、300万円くらいになるようです。

材料はともかく、すべてに、水準の高い仕事がなされています。
これを、うわべだけ真似しても情けないだけでしょう。
俵屋から学ぶことは、あの心地よさを、どう、自分の感覚に取り入れていくかでしょう。
Commented by stilwell at 2006-01-05 18:07 x
やはりコピーは不可でしたか。
しかし、豪華さがなくて、坪300万円とは
和風建築は奥が深いです。


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