とにかく、事務所だけでなく電車の中でも仕事しないと、スタッフ4人がうまく回らない。
設計事務所定番のロールのトレーシングペーパーはどう考えても事務所のデスク用だ。
今時、カッコつけて黄色のトレペ(建築家の定番・・・笑)なんか、とても使う気がしない。
昔,ニューヨークで買って帰った黄色のトレペは、使うのがもったいなくて
ずっとそのままにしていたら使えなくなってしまった(笑)という苦い経験があるから・・・。
そこで、たまたま文房具屋で見つけたのがコレ・・・安売りしていた。
透けているのでトレペの代わりを果たす、その上、適度に柔らかくて、鉛筆ののりが良い。
たぶん、タイプ用紙を買う人が減ったのだと思う・・・たくさん買い占めた。
ロールのトレペと違って電車の中で広げても目立たない(笑)、
ロールのトレペみたいにビリビリ破かなくても良い・・・電車の中ではとてもできない(笑)。
まあ、なかなか重宝している。
グリットを印刷した紙を下敷きに
0、9ミリのシャープペンでとにかく、エスキースしまくって、手のひら真っ黒にし、
空間が見えてきたところで水性マジックでなぞって、よけいな鉛筆を消しゴムで消す・・・
とてもカッコよいとはいえない工程だが・・・もがいた中から浮き出てくるといった感じ。
この段階でスタッフに渡る。
ハードラインに移って、また延々と手が入って変容していく。
歴史に残る建築家たちは、黄色のトレペにスラスラと、
ほれぼれするような達者なスケッチを残しているのだが・・・ほんとかなあ?と思う。
実際のエスキースと保存用のエスキースと書き分けているとしか思えない(笑)。
でも、やっぱり、かっこ良くないとなあと、最近は反省し始めている。 伊礼智