世界文化社
別冊・家庭画報
2300円
江戸川ソーラーキャットが「良質な低コスト住宅」として取り上げられた。
僕はローコスト住宅という言葉は正直なところ好きではない。
ローコスト=安普請な家という感じがする・・・(笑)。
坪単価が安くて、工務店か職人を泣かせつつ(お金的にも無理させて)、
設計者も毎回だと食べていけないけれど、今回くらいはやってみるか・・・
というのがローコストハウスのイメージ(笑)。
この本はそういうローコスト住宅の特集ではない。
タイトルも「良質な低コストの住宅・・・」となっている。
継続できる可能性のある低コストの特集である。
そう・・・低コストとローコスト住宅とは違う。
ぼくの設計している家は総額では低コスト(小さい家が多いので)だけれど、
決して安普請ではない、坪あたりの値段にすると結構高い(笑)
この本では「良質な低コスト・・・」を以下のように定義している。
1,根本は無駄をしないこと
2、コスト設定は2000万円(くらい)
3、豊かさがあること
決してローコストではないとも書かれている。
そのような編集方針にはとても共感できる。
(i−worksそのものではないか!!・・・ということでi−worksについても取材していただいた)
これから家づくりを考えられる方々にはとても参考になる本ではないか。
坪あたりいくら・・・で判断するのではなくて、出せる総額の中で工夫していけばいいと思う。
名作住宅のコーナーには
先日なくなられた清家清先生の「斉藤助教授の家」、益子義弘さんの自邸・・・
元祖「良質な低コスト住宅」が掲載されて、良質な家の数十年の時間の流れを垣間みれる。
今考えると、清家先生のおっしゃっていた「ルーズ」さが
沖縄の「テーゲー」に重なって身体にしみ込んでいたんだなあ・・・とつくづく思う。
いい本なのだが、
建築家の姿を切り取ってあちこち貼付けているのが恥ずかしい(笑)。
ちょっとおちゃらけてしまった・・・僕も切り取られてしまいました(笑)。 伊礼智