i-works2015「つむじ」
設計:伊礼智設計室(伊礼智 福井典子)
施行:
相羽建設
造園:小林賢二
写真:西川公朗
i-worksの最新・相羽建設モデルが何とか完成しました。
3、5間角をベースに、標準化されたユニットを駆使し
木造ドミノの構造(スケルトン&インフィル)を取り入れた提案型住宅です。
3、5間角、延べ床24、5坪+ロフトの小さな住まい。
今回は下屋(オプション)をプラスして延べ床28坪です。
Ua値、0、44。ハニカムブラインドまたは断熱襖を使用することで0、40。
気密性能、C値は2、0。
さらにOMソーラー搭載、冬、屋根で暖めた空気で床暖房、
夏はお風呂のお湯とり、夏の夜は屋根の放射冷却を利用して涼風を取り入れます。
性能と意匠の両立を視野に、性能の先の心地よさにトライアルしてみました。
地域性豊かな、日本的なエコハウスを考えるスタートになったと思います。
今後、温熱的な計測をもとに「最適解」を模索します。
つむじでは開口部の楽しさと性能の両立にチャレンジしてみました。
木製建具でフルオープンできるにも関わらず、一定の断熱・気密性能を持ち、
外部とも繋がる事ができる開口部のあり方は
日本らしいエコハウスには欠かせないものと感じます。
今回は外部から木製ガラリ(プライバシーを守り、室内へ塀ってくる光量を調整します)、
アイランドプロファイルウインドウ(木製で全開できる高性能サッシュ)、
ハニカムブラインド(断熱性の高いブラインド)、
障子仕立てのレース(プライバシーを守りながら風を取り入れる事ができます)、
断熱襖(断熱性能を持った遮光戸)の構成です。
全てが必要では無いのですが、
この中から、手で触って、必要な建具の構成を選べるようにしたのです。
性能を睨みながら、楽しみ、チョイスする。
キッチンはコンパクトながら廻れる動線を持ちます。
洗面所にも通り抜けられるので、家事動線として便利かもしれません。
建築、特に住宅はバックヤードが大事だと思います。
裏動線がしっかりした住まいは暮らしやすいはず・・・。
2階は寝室が最大3部屋とれるようになっています。
将来の子供部屋はしばらくの間、みんなのワークショップ。
将来、2つの個室に分けることも可能です。
主寝室は和室、将来の子供部屋に通り抜けができる廻れる動線を持ちます。
2人から5人家族の多様な住まい方に対応できるプランのあり方です。
(もちろん、動線を閉じることも可能)
また、室内干しができるサンルームもあり、共働きでも暮らしやすい。
(サンルームを和室や書斎に帰ることも可能です)。
「つむじ」の中には大工の手で作られた家具も設置されて、
性能とデザイン、工業化と職人技のバランスの取れた
住まいのあり方をご覧頂ける住まいとなったと思います。
リクシルとともに開発に取り組んだハーフユニットバスも試作品が
設置されています。発売はまだ未定。
*2016年より限定発売中。
i-works project、OMソーラー、木造ドミノ研究会のそれぞれのメンバーのみ提供可能。
下の写真は8月21日、22日にビッグサイトで行われる「ジャパン建材フェア」のパネル。
つむじの原寸大の展示と造園家・荻野寿也さんにより、展示場内に本物の造園を施します。
リビングには故・永田昌民さんを偲んで「永田格子」を仕込んでみました。
格子から漏れる光の楽しさは性能では測れないものです。
(有)伊礼智設計室
住所:〒171−0031 東京都豊島区目白3−20−24
電話:03−3565−7344(FAXとも)
メール:irei@interlink.or.jp
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