安心社会(武士道・閉鎖社会)と信頼社会(商人道・解放社会)
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構造的な不況、終身雇用も崩壊し、日本の「安心」社会は崩壊したと思います。
もう、普通に生きていれば安心して老後が迎えられる時代ではない・・・。
社会心理学者の山岸俊男さんは「武士道が日本をダメにする」と語ります。
日本の「安心」はなぜ、消えたのか?

近年、ベストセラーになった「***の品格」なんて考えがダメであるとも・・・。
そんなことをやればやるほど利己主義者がまかり通る社会となるらしい。
「安心社会に浸っている人たちは」は自分の事しか考えない奴らに
食いつぶされるといった方がいいかもしれません。

「武士道」はその時代の処世術にすぎなかった?・・・
それが高尚な生き方のように勘違いされている。
「心の教育」をしても「美しい日本」にはならないとのこと。
もう、武士道で社会を維持していく時代ではないと語ります。

人間だけが「利他」の精神を持っている。
他人に利を与える・・・巡り巡って自分が良くなる。
それがより良い未来をもたらす。
自分も良くなり、相手も良くなり、世の中も良くなる。
そんな考えが「商人道」であり、それこそが日本を救えると・・・。

先日、近江八幡へ旅したとき、
近江商人のお屋敷の中に新聞の切り抜きを見つけました(写真)。
それこそが「信頼社会」を築く心得(商人道)そのものでした。

商人道は利益を追求する社会でなくて、
「利他性」を支える社会・・・
モラル(正直さ)を持って利他(相手の利益、満足、誇りなど)に出でれば、
「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」に繋がる・・・
ということでしょうか?

「安心社会」から「信頼社会」への転換期です。
安心社会にどっぷり浸かって「利」をくすねるのではなくて
信頼社会で自主的に「利」を与える行動を起こす・・・
それが「類は友を呼ぶ」に繋がっていくと言うことでしょう(笑)。

住まいづくりにも多くのヒントをいただいた、考えさせられる本でした。


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by satoshi_irei | 2009-10-12 16:41 | ・住まい・建築 | Trackback | Comments(6)
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Commented by tokyomachiya at 2009-10-12 17:05
すまい手よし
 つくり手よし
  世間よし

家づくりの極意かもしれません。
ハウスメーカーで家を建てるようになり、
家づくり事業の利益が地域に落ちなくなってしまった。
地域に落ちるのは、職人の手間だけ。
「世間よし」を失ったから、地域経済は破綻し、
駅前シャッター街が残った。
Commented by satoshi_irei at 2009-10-12 17:46
迎川さん
建築家も同じかも知れませんね。

Commented by k_watarow at 2009-10-12 22:01
近頃、設計屋を元気にしてくれる本は、建築界の本には少ないですね。
むしろ、生物や、農耕関連の本に考えさせられるものが多くあります。
早速この本読んでみたいと思います。
Commented by ame-no-michi at 2009-10-13 07:14
社会的なしくみがあるからこそ成り立つ倫理的・利他的な行動
人間の利他性を支える社会の仕組みを作るのは商人道。

私も読みました。
質の高い仕事こそ世の中を豊かな社会に導くものだと感じました。

以前に日経ビジネスでも山岸さんは紹介されています。
Commented by satoshi_irei at 2009-10-13 09:17
小林さん
デザインだけでなく、社会の仕組みを作るのも大事だと思います。
官僚にやられっぱなしは悔しいですし・・・。
Commented by satoshi_irei at 2009-10-13 09:20
谷田さん
山岸さんの本は決して谷借りやすいとは思えませんが
逆説的な組み立てが面白いですね。


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